「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星」

 5月5日、TOHOシネマズ光の森にて「機動戦士ガンダム
THE ORIGIN 誕生赤い彗星」を鑑賞。

 安彦良和の「機動戦士ガンダム」を”ORIGIN”としてマンガ連載していたものをアニメ映画化したもので本作が完結編と位置づけられているものです。

画像


 ”ファーストガンダム”の空白たる時間を埋める作品としてコミックから「シャア・セイラ編」「ルウム編」を映画化したものなのだけれど、”ファースト”のTV放映が1979~1980年、その映画化が1981年なので約40年弱も以前のロボットアニメ作品。
 
 私は勿論中学時代にリアルタイムで”ファースト”を観ていた世代なのでとても感慨深いものがあって、この”ORIGIN”というものに好悪両方抱いているのが正直なところです。
画像

 先に好きな点をあげると、勿論、画。
 TVシリーズは作画監督によって大きくキャラクタ、メカのデッサンや動きが違っていて、まぁ昔のアニメ全般に言えることかも知れないのですがカクカクした動き、ストーリー毎に大きく変わる画のクオリティの差に愕然とすることもしばしば。それは見方を変えれば、味のある画とも言えるのかも知れませんが・・・。(^_^)

 モビルスーツを足下から(人の目線から)みせるカットもあって、その巨大感を改めて感じられるのもよかったです。ロボットの巨大感というと「エヴァンゲリオン」が結構その見せ方が上手い。(地上、建物からの視点で巨大なロボットがゆっくり歩いて行くシーンとか)

 
 でも今時はメカはCG,キャラクタもカッコいいし、ファッションや小物にまでもリアルなデザインにあふれています。
 もっとも”ファーストの劇場版、めぐりあい宇宙”の安彦タッチのキャラ、メカの動きも独特で好きなのだけれど。

 次に、矢張りTVシリーズのころから放送されないエピソードとしての「ジオンに兵無し」の演説が再現されていること。(確かこのエピソードは富野由悠季監督の原作にあったものかと。朝日ソノラマ版でずいぶん前に読んだことがあります)

 でこうして今回映画化をみて改めて連邦軍のレビル将軍、て日露戦争時の乃木希典をモデルにしているのかなぁと思ったりしました。お髭の容貌とか、偉い人の割には戦いに臨んでは意外と凡将では?と感じることがいくつかあったので・・・。

 ジオンのマ・クベの描き方も好きだったなぁ。美術品に造詣が深くて軍人には見えない策士という感じが。
カイ・シデンにしろマ・クベにしろ、ちょっとひねくれた風の感じは安彦キャラ独特の顔つきと物腰がちょっとたまらないです。
 ひねくれているのだけれど愛すべきキャラという感じで。
画像


 キャラクタ全体でいうと、今時の時流を反映してか、いろんな人種が描かれていて、白人、黒人、アジア人、
老若男女。所謂安彦タッチで描かれるモブに等しいキャラも凄く際立って見えて素晴らしいです。

画像

 逆に残念に思うところもあって、まずはシャア。
TVシリーズのホントに本心や過去が見えず時折キザな台詞や持って回った台詞をいう謎キャラだったのが、ORIGINの避けては通れない所なのだろうけど、過去や動機、素性が明確に描かれるとちょっとその謎の魅力が半減するという感じもします。でもこれは仕方ないのかとも。

 キャラ全体でいうと、進化した安彦タッチが私は余り好きではなくて、頬から顎にかけての輪郭の線の曲がりや、一直線でなくて絶えず上下に曲がる口の線とかがちょっと・・・。これは原作コミックのデザインもそう。
私はどちらかというと劇場版の頃の安彦タッチの流麗な線がいいのだけれど。

 それとこれは受け取る人にもよるのでしょうけど、欧米人よりオーバーな仕草はちょっとどうかなぁと。
特に主要キャラでなく、軍艦内の将官やスタッフ達の何気ない動作は時としてリアルでカッコいいのだけれど、でもこういうのもアニメならではの宿命なのかなぁとも感じています。
 それとストーリーが政治的な動きがメインになって、なおかつ「ORIGIN」という長編の一章を丹念に描くという事からどうしても続けて見ていないとわかりづらいだろうなと思いますね。
ことにこの「ORIGIN」にしろ「ユニコーン」にしろ上映する劇場が、エピソードによって館数に増減があると、地方の観客は? と思うだろうなとも感じます。
(原作を読んでいたりすればいいのでしょうけど)





 全体としてはとても面白くて感動します。
特に開始直後に始まるルウム戦役のシーンの連邦軍の軍艦に襲いかかるモビルスーツ部隊、そして勿論赤い彗星のシャア。
 
 「私に跪け、神よ」と爆走する赤いザクを駆るシャアはやはりカッコいい。

  だた本作はサブタイトル”誕生 赤い彗星”とあるのだけれどどちらかというとジオンのザビ家、連邦上層部の暗躍が見え隠れして、戦争が継続してしまうという状況を表す作品でした。
  
 人は争うことをやめられない。

 ”ファースト”へ続く人間の業という感じを覚えた作品でもあります。


画像

 ほぼ終盤数分にTVシリーズの主要キャラが自己紹介的に出てきて来るのだけれど、ラストにアムロ・レイの父親でありガンダム設計者でもあるティム・レイの息子の写真にかける言葉がとても辛く悲しい台詞に聞こえました。


 凄く良かったです。

アクセスカウンター
アクセスカウンター
アクセスカウンター

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック