「蜜蜂と遠雷」

10月12日 TOHOシネマズ光の森にて「蜜蜂と遠雷」を観ました。
恩田陸の同名小説の映画化です(原作未読)
 出演、松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィン、鈴鹿央史。
 監督、石川慶

 この小説のタイトルは書店で見かけたことが何度もあって、タイトルだけは覚えていますがいったいどんな内容なのかは全く知りませんでした。
で、映画の劇場予告にて、ピアノコンクールに挑む4人の若者の葛藤を描いた作品かと了解した次第です。
そのなかで、特に風間塵というキャラクタは漫画「ピアノの森」の少年カイを連想させました。既存の音楽にはまらない全く独自の音楽でそれでいてすばらしい。
他に名門の音楽学校に通うエリートのマサル・アナトール、
生活者(他の音楽漬けの学生とは違う、サラリーマン)の音楽を、と家庭持ちの高島明石。
そして主人公の栄伝亜夜。(ちょっと変わった名字なので、最初聞いたときは”エデン”と聞こえて、エデンの園とのなにか関連するようなネーミングなのかとも思いました)
 

 タイトルの蜜蜂というのも、風間塵の父親の職業・養蜂業から来ているのかもしれませんが、私は劇中度々表現される雨音の事を指しているのかと考えました。何百匹の蜜蜂の羽音を雨音の調べに例えるといった具合で。
 そして”遠雷”は劇中でも、遙か海の向こうに唸り、稲光する自然界の音を、こちら側で遠くにそれを観ている登場人物達の状況(到達すべき所は遙か向こう)を表現しているのかな、と・・・。

 私自身は音楽に疎いのでよくわかりませんが、一流の音楽家という方達は、周囲の全てが音楽として感じ取れると言ったことを聞いた事があります。そういう生き方が、すばらしいのかそれとも状況によっては苦しいのかもしれませんが・・・。



 ストーリーは、あるピアノコンテストの予選から始まります。
地方のあるコンテストなのですが、そこの優勝者は後の評価が上がるという、いわば前哨戦のようなコンテストに、世界各国から若きピアニストがやってきています。
 その中で、栄伝亜夜は過去天才少女ともてはやされていたのですが、13才の頃、ピアノの教師でもあった母親の死にショックのためにずっと鍵盤の前に立つことを回避してきていました。そして7年ぶりの彼女の出現に周囲は否が応でも注目が集まります。ですが彼女は終始深刻な表情のまま、笑顔一つ見せません。未だ彼女の心には傷が残っているのでしょう。
 劇場予告でも、指揮者から「ピアノを弾いていないのかと思った」と言われるように、ピアノを前にする彼女は常に戸惑いを隠せません。彼女はそのコンクール会場で幼なじみのマサル・アナトールに再会します。子供の頃ピアノ教師でもあった亜夜の母親に二人はピアノを習っており、マサルは今や世界有数の音楽学校のエリートといったまでに成長していました。
 このシーンで二人はお互いの近況と音楽に対する思いを打ち明けるのですが、ちょっとメディアのインタビューシーンのようなカットで、横長のスクリーンの真ん中から左右どちらかに寄って語っているという風で、これは他のキャラクタにも似たようなシーンがあります。(松坂桃李演じる高島明石には担当記者がつきっきりだったのでそれに合わせた演出なのかもしれません)


 亜夜の幼なじみマサルは本心では、これまでに無い新しい表現を、と考えています。ですがそれを演じると音楽学校の師から、きつく注意を受けたりもします。
 彼は常に一人でやってきた演者なのでしょう。そして孤高と呼べるほど上達していったのかもしれません。その所為か後半のオーケストラとの協奏曲では度々、タイミングの不一致で悩みます。
 高島明石は、音楽だけでない、一般生活者にも十分楽しめる音楽を、生活者の音楽をと、サラリーマン(妻子持ち、で年齢制限ぎりぎり)でありながら、課題曲(春と修羅)をどう表現するか悩みます。そこには妻の助けもありますが、自身の限界にも気づいてます。

 そんなピアノコンクールの予選に全く無名の男の子が出現します。その少年風間塵は、亡くなった世界的ピアノ演奏者、ユウジ・フォン・ホフマンの推薦状をもって。
 その紹介状には、この少年は神からの贈り物であり、それを祝福とするか災厄とするかは審査員次第であるとの文言が書かれていました。少年風間塵はそのホフマンが示したとおり、破格の演奏を見せそれは審査員のみならず亜夜達ピアニストにも影響を与えます。
 (きっとこの塵という少年はミューズ的存在なのかなとも思いました)


 物語はこの四人を含み予選から本線へと進みます。課題はオーケストラとの協奏曲です。
各人がそれぞれに取り組む中、亜夜は過去のトラウマから鍵盤を叩くことからも逃げてしまいます・・・・。



 ラストカットは亜夜の微笑で幕を閉じます。
それは彼女の復活を意味して_。

面白いです。



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