「デイアンドナイト」

2月2日T・JOY久留米にて「デイアンドナイト」を観ました。
俳優の山田孝之のプロデュース、
監督、藤井直人、
出演、阿部進之介、安藤政信、清原果耶。

企画も主演の阿部進之介によるもので、脚本には山田孝之も加わっていいるとの事です。
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 「善と悪はどこからやってくるのか」

 この言葉はこの作品の主題となっているもので、作品内では、主人公の亡き父親の残した日記に記述されていたり、ふとした時に主人公のまえに幻の父とともにその言葉が現れてきます。。
 映画のはじめの方の教会内でも、神父さんがこう語ります。それは聖書からの引用のようですが。
 「悪とはどこからやってきたのか」と。


 この映画はすばらしい作品です。美しく静かで、そして悲しい程に。
見終わった後に胸にわき起こる感情、でもそれが言葉としてうまく表現出来ない、たとえ表現できたとしても、きっとその時感じたものから離れてしまう、そんな不安定さを覚えます。

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 描写がとても良いです。
冒頭、中盤、そして終盤にも写される海岸線の大きな風車の列。
(舞台は秋田県らしく、ネットで検索すると確かに同じ風車が並んでいます)灰色、薄紫がかった風景は海から風車の方へカメラの視点はゆっくりと進んでいきます。

 田舎道を一台のバスが走っています。
このシーンは冒頭とラストもほぼ同じです。

 中盤、主人公の行動(昼と夜の生活)がまるでトランプのシャッフルのように交互にテンポよく繰り返されます。
子供達とのおっかけっこで逃げる、夜は敵対している者達から逃げる、
料理のタマネギをむく、夜は札束を数える。
昼も夜も海岸線の風車の回転は変わらない。
毎日がそれの繰り返し_。

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 真っ白い雪景色、つらら、枝に積もる雪と静かに流れる川。
 相対する男女、女性の方は泣き叫び、男の方は悲しそうに涙を流していますが台詞も音も何もありません。
ですが、スクリーンのこちら側にはその激しい言葉や悲しみが痛いくらいに伝わってきます。

 シーンは時としてゆっくり、又は何かにせかされるかのように展開していきます。
(上映時間は2時間強なのですがその長さを感じさせないくらいに)


 そしてエンディングに流れる主題歌「気まぐれ雲」がとても映画にはまっていて、思わず涙ぐみそうになります。
 唄は大野奈々とありますがこれは映画での役名。ヒロインの清原果耶が歌っています。


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 ストーリーは。
 明石幸次(阿部進之介)は父の死に故郷に帰ってきますが、自宅前には罵詈雑言の落書きで埋め尽くされています。
父は小さな自動車整備工場を経営しており、ある大手の自動車会社の欠陥を見つけそれを告発するのですが、それが虚偽であると周囲から攻められ自殺していました。幸次は父の残した日記からその欠陥が本当であること、それを世間に公表するいきさつを知りますがそのノートのある言葉に目がとまります。
 「善と悪はどこからやってくるのか」今の自分はどこにいるのかというその苦悩の言葉に幸次は父の死に疑問を持ちます。

 そして父の死によって整備工場で働いていた従業員達への保証にも責任を突きつけられます。

 夜、父の残した整備工場で幸次は北村(安藤政信)という男に出会います。生前幸次の父には世話になったと彼は言います。
北村は養護施設で孤児達の面倒をみてました。幸次は北村に惹かれるようにそこで働き始めるのですが、夜、北村に連れて行かれた幸次が見たものは、大勢の見知らぬ男達と車の窃盗、密入国の外人への仕事の斡旋、ヤクの売人を”掃除”と称してたたきのめす、昼間とはまるで違った北村のもう一つの顔でした。そして幸次の父もそこに加わっていたことを知らされます。
 幸次は金策のためもあってその仕事に手を染めます。
そして昼は養護施設での食事係、夜は犯罪者集団の一人として生きていきます。善と悪の境目が次第に曖昧になっていきます。

その養護施設には奈々(清原果耶)という画才のある少女がいますが高校卒業の時期、将来を悩んでいます。
 北村は幸次に語ります。この施設の子供達はいつか両親が迎えに来ると信じている。それが希望なのだと_。
 ですが奈々とともに市役所についていった幸次はそこで彼女の親の死を知ります。そしてその死の真相には北村が関係していることも・・・。

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 ある時幸次は父が追求していた自動車欠陥の告発資料が元従業員によって盗み出されたことを知ります。そしてその先にはその自動車メーカーのある男・三宅(田中哲司)がいることを。
 幸次はその資料を取り戻し地元の新聞社に告発をするのですが、その告発は葬られ、逆に幸次はその男から脅迫されます。
 北村のいなくなったグループは次々と警察に検挙され壊滅状態になり、幸次は告発資料の引き渡し場所に待つ三宅の元へ行きます。

 善と悪はどこからやっってくるのか_
三宅と対峙した幸次は_。


  いい作品です。


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