「機動戦士ガンダムNT」

 12月8日、TOHOシネマズ光の森にて「機動戦士ガンダムNT」を観ました。福井晴敏の「ガンダムUC 不死鳥狩り」を原作としたアニメ映画化です。(原作未読)

 ”ユニコーン”も原作未読ですが劇場版は観ています。


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 監督、吉沢俊一  CV,榎木 淳弥, 村中 知


 「ガンダム」好きなのですが、どちらかというとトミノ作品が好きといった方が近いので、富野監督以外のガンダムは観ていない作品が多いです。


 この「NT」は「UC」の後日譚であるのでこの作品単体ではあまりよくわからないと思います。できれば"1st","Z","逆シャア”と"UC"の知識がある方が楽しめるかと思います。




 「ガンダム」というとそのメカのアクションを重要視したものと人間ドラマに重きを置いているものとに分かれるかと思いますが

この「NT」は後者、特にこれまで曖昧に表現されてきた”ニュータイプ”について語られます。

 本作に富野監督が関わっていないからという理由ではありませんが、「NT」は面白いのですがちょっと私はあまり好きにはなれないです。



 この”ニュータイプ”というものの表現は、これまでは結構ぼんやりとした感じで演出されていたかと思います。

 これは富野監督の心境の変化(ガンダム放映後の様々な世相事件)にもよると思うのですが、そのシリーズ上、ニュータイプというものが今ひとつはっきりとつかみ所の無いものとして表現されて、その事が受け手側の想像、補完によりその価値が希有で崇高なものにとらえられていたと思うのです。(簡単に言うと、よくわからないからすごい、みたいな)



 「NT」でのニュータイプの行き着く先は、まるで「イデオン」の“イデ”そのもののようです

人の魂、意思はサイコシステムに取り込まれ、肉体を不要とし時空をも超越した存在となり、その物理的力は人智の及ばないものとなる、それはまさしく”イデ”です。

 (これは逆シャアのラストのサイコフレームによるオーロラのシーンからも多少感じました。ちなみにこのときのサイコフレームのシルエットがアルファベットのT の形をしているのはトミノの Tなのかな、とも。(^_^))


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 「NT」本編について。

今時の作品なので、画のクオリティは高いです。

ただキャラクタの表情がカットによって、おや?と思えるくらいに差が出てくるのにはちょっと・・・・。

特に冒頭のミネバやマーサ・ビストが出てきたときに、ちょっとその画のクオリティについて ? と・・・。


 それとミステリアスな存在としてあった奇跡の子、リタの目元が前半はずっと影になっているのですが後半あっさりと描かれているのはちょっと拍子抜けな感じを受けました。もっとミステリアスなものを期待していたので。




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 本作の主人公は三人、ヨナ、ミシェル、リタのそれぞれのキャラクタは良かったと思います。


 連邦軍パイロットであるヨナは常に迷っています。

 巨大企業のルオ商会の養子となったミシェルは過去の自らの選択に後悔しそのことに捕らわれています。

 そして奇跡の子リタについては年少時代の雰囲気だけが描かれるだけなのですが、後年はその魂だけの存在のように描かれています。


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 ストーリーは、人智を超えた存在となったユニコーンガンダム3号機を捕らえようとする連邦軍とネオ・ジオンの残党の争いがメインなのですが”奇跡の子”の力を利用したサイコマシーンの暴走が結果的に友人を失うことになった、そのことがミシェル、ヨナの二人には罪悪感となり贖罪が二人の行動原理のようにも見えます。


 このユニコーン型ガンダム3号機はフェネクスと呼ばれ、その形状や存在からタイトル通り不死鳥(フェニックス)を思わせます。

神出鬼没で、光速に近いスピード、捕らえられない存在であるフェネクスは”奇跡の子”リタを取り込んだサイコマシーンとして連邦軍、ネオジオンを翻弄します。

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 リタの幼なじみの一人であるミシェルは、ニュータイプの行き着く先が肉体を捨て時空を超えた高次の存在であると述べていますが、私は本当にそうなのか?とも疑問に思います。

 それはたくさんある選択肢の内の一つにではないかと。人はサイコマシーンの力によって変化する道をたどることも出来る、でもそれが本来の人類の進化の過程なのだろうか?


 劇中フェネクスは、Ⅱネオジオングのもつパワーを否定しています。サイコマシーンの持つ不可思議な力は前シリーズ(Z,ZZ,逆シャア)においても必ずしも人を幸福にするものとは描かれてはいないのです。




 ラスト、やはりフェネクスはいずれかへ消え去っていきます。

超越した存在に近づくには人類はまだまだ長い道のりが必要であるかのように。

 そしてヨナはバナージ(前作ユニコーンの主人公)に救助されます。

 「それでも」が口癖のバナージがラストに登場しやはりこの台詞を吐きます。それは人類全体がニュータイプに成長するにはほぼ絶望的な時間が必要と悟っていても、人はそれぞれの人生を前を向いて生きていくことが大切であることを示すように_。

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 良い作品。




  後日12月16日109シネマズ佐賀においてもリピート。



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