「犬ヶ島」

 6月10日 TOHOシネマズ光の森にて「犬ヶ島」を鑑賞。
監督、ウェス・アンダーソンによる近未来の日本を舞台にしているストップモーションアニメです。

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 CG,特撮のテクノロジが発達している現在何故ストップモーションアニメを?と思ったりもするのですけれど、その世界観ととてもマッチしていて良かったです。

 ”近未来の日本”という設定なのですけれどまるで昭和初期?と思ってしまうくらいのレトロで、かつ西洋人が描くステレオタイプな風景。
 物語の冒頭も過去の出来事が絵巻物のように紹介され、舞台が日本であるだけに登場人物は日本語で話されるのですが、”字幕映画”なだけに英語がそれを翻訳するように語られと、ちょっと最初は戸惑います。英語オンリーのなか急に日本語の台詞が入ったりすると、発音によっては聞いているこっちが”え?”となったりもしました。


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 主な舞台である犬ヶ島のモデルのとなったのは今は公園、植物園などのある”夢の島”なのですけれど、この名前を久しぶりに見ました。
 小学生の頃テレビや教科書でこの島を紹介している写真を見たとき、その名前との余りのギャップにとても奇異に驚いたのを覚えています。夢とはほど遠いあらゆるゴミの山、そこに次から次へと運ばれてくる新しいゴミ。
そのゴミがかつては”夢”であったことを皮肉ってのネーミングなのかなとなんとなく想像していました。
 ゴミによる公害の問題は重大な社会問題であり、当時の高度経済成長のダークな面とも言えます。
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物語はこのゴミの島に捨てられる犬達の中にかつての愛犬であったスポッツを探しに来た少年・アタリが5匹の犬達とともに捜すというものになっています。

 そしてこの少年アタリの父親はこの町の市長であり、大量の犬の殺処分を決定しようとする動きがアタリの行動と平行して進んでいきます。そもそもは犬特有の病気が拡大しそれに対する市長としての役割(個人的な感情も含み)で犬を一掃しようとする主張を喧伝してきている人物であり、その容貌から本作の悪役としての役割を与えられています。

 またもう一つ、一方的に殺処分される犬達を救おうとする科学者や女学生達の必死の行動も見所で、クライマックスへの盛り上げも絶妙です。
これはストップアニメーション独特の演出が功を奏していると思います。

ちょっと気になったセリフがあって、それは「犬は少年を食べない」(だったかと)という犬ヶ島にやってきた少年アタリを、さてどうしようかと仲間内で話し合う犬達のセリフなのですが、ふと「少年と犬」というだいぶ昔の映画のタイトルを思い出しました。
他にも少年と犬のつながりを描いた作品は他にもたくさんあります。

 少年と犬。両方はよく似ています。

それは未熟で感情的で後先考えようとしようとしても上手くいかない。誰か(何か)に師事したくて、畢竟孤独であり、群れることを好み・・・、それでいてどことなく愛らしく。
 こういう所が_。

 
 いい作品。

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