「君の名は。」_鎮魂としての物語

 9月3日 109シネマズ佐賀にて「君の名は。」を観る。
 (菊田一夫脚本のラジオドラマは「君の名は」で ”。”がつかない)
監督、新海誠、
出演(声)、神木隆之介、上白石萌音。

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この監督の作品は”言の葉の庭”(2013年公開)をレンタルで観た。緑の葉と静かな雨のとても美しい映像で、舞台を都会にしているだけれど、街の雰囲気も細かに描かれていて瑞々しい。純文学、といった感じを受けた。
その美しい映像は本作品「君の名は。」でも十分に発揮されている。
都心と田舎に住む高校生の生活風景のコントラストは素晴らしく、長く尾を引きながら空を走る彗星がその風景に一層の彩りを添える。
二つの世界での彗星を一方では夜空に尾を引く美しいものに、一方では惨事の元凶としての二通りの描かれ方もとても興味深い。
 劇場予告では何となく高校生二人の心が入れ替わる青春コメディの話かなと思ったのだけれど、とんでもない。物語の核心は別の所にある。
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 約千年ぶりに地球を横切る彗星、大きなクレーターのある町。
 ストーリー初めの三葉の台詞「生まれ変わったら都会の・・・」
 黄昏=誰そ彼=逢魔が時。
 組紐にまつわる三葉の祖母の話_。
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 ストーリーは。
山奥の小さな町糸守にすむ女子高生・三葉(上白石萌音)は田舎の生活に閉口している。都会でのびのびとエンジョイしたいと。そんなある朝、目覚めると都心の高校に通う男子高生になっていることに驚くのだが、どうせ夢の中と気楽に過ごす。

 一方都心で暮らす瀧(神木隆之介)は三葉といれ変わるように、目覚めると糸守町にすむ三葉として目を覚まし慌てふためく。
 心と体のちぐはぐさが続くことに二人は、眠るタイミングで二人が入れ替わっていることに気づくのだが、何故、どうして、理由はわからないまま二人はお互いの日常に差し障らないようにスマホの日記をつけていく。
 思春期の男女の心理、動向が同じなわけ無く、ことある毎にケンカのようになってしまう二人だったがある日を境に”心の入れ替わり現象”が起こらなくなる。

 瀧は三葉に会いたいと思いたち、いくつかの風景画を手がかりに瀧は糸守町へ向かうのだが_。
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 7月29日公開”シン・ゴジラ”、8月26日公開の本作。この二本には共通しているものがある。それは3.11の震災、災害だ。
 地震、津波による災害で多くの不幸が人々を覆った。事に原発事故での当時の政府の対応に歯がゆく苛立った人も多い。多くの人命が失われ傷ついたのだから。
 その不幸を”シン・ゴジラ”では核の申し子であるゴジラをヤシオリ作戦で食い止めて見せ、”君の名は。”では災害を回避させることで鎮魂としてのテーマを鮮明にしている。
 

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 いい作品。
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この記事へのコメント

Nonchi
2016年12月23日 08:31
宇宙との繋がり、時間軸、運命、引き寄せ合うエネルギー等、色んなテーマが隠れていると思うのですが、私も東北の震災によって日本全体に在った、津波に飲まれた人達を助けられなかったという集合意識。そこに働きかけ、人々の心を癒したような気がします。

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